外資系コンサルの意識高い日常

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バチェラー・ジャパンに見る恋愛とドグマ

 バチェラージャパンという番組をご存知でしょうか。AmazonPrimeのオリジナル番組であり、シーズン1から人気を擁し現在シーズン2が配信中の恋愛バラエティ番組です。これは一人の独身男性を複数の女性が取り合うという構図で、見所としてはその女性同士の争いがエンターテインメントの中心になっています。

 

①恋愛市場における価値とは

 バチェラーという役割の独身男性は、高スペックであることを要求されます。イケメンで高収入であり、女性の扱いに慣れていることが最低条件とも言えます。独身で健康であり、まさに恋愛市場において最も価値の高い存在です。それに相対するように女性側参加者も、カテゴリは多々あれど美人で若く、市場価値の高い女性が集められています。それらが同じフィールドでサバイバルマッチをするところに視聴者の興味が引かれていると思います。

 

②非日常という演出

 バチェラーと女性のデートは、決まってすこぶるロマンティックで高級です。ヘリに乗って花火を眺めたり、気球に乗ったり、海の綺麗な離島に行ったりします。出演者が周りにいるような普通の人とは少し離れた存在であり、シチュエーションも日常とは離れているため、自身と切り離した完全なエンターテインメントとして見ることができます。

 

③他の恋愛バラエティ番組との違い

 ②で述べたように、非日常がテーマとしてよいと思います。「あいのり」「テラスハウス」などの番組が、どちらかといえば視聴者寄りの出演者だったのに対し、バチェラーは完全に非日常に振り切っているように思えます。そして毎回離脱者の人数が決まっており、期限が明確なことも視聴者を飽きさせない工夫として長けています。

 

④経済圏としての恋愛市場

 ①-③のように、バチェラーは素晴らしい番組だと思います。これは「東京カレンダー」のブランディングに近いですが、そこに飽きさせない工夫が加わった進化版のように思えます。経済圏としての恋愛市場はもちろん巨大なのですが、移り変わりが激しく、飽きられやすいところが難しいポイントです。また参入しやすいレッドオーシャンであり、次々にヒット商品を生み出さないと勝ち抜いていけない経済圏であるといえます。

 

<恋愛というドグマ>

 若者や独身者は恋愛していて当たり前であり、恋愛に興味があるだろうという前提は、上記の経済圏を作っている側の理論であり、それがある意味ドグマのように現代の社会では幅をきかせています。よく、男性の話は「酒」「女」「ゴルフ」であることに対し、女性の話は「恋愛」「美容」「ダイエット」といわれますが、これらもマーケティングによる結果にすぎません。このような昭和的価値観は徐々に薄れていますが、スケールさせようとするとあった方が楽なので、まだしばらくは続きそうです。

 

<多様化は進むが。。。>

 均一な価値観を押し付けられることを嫌がる現代人にとっては、ドグマ的なものは淘汰されていくのが自然です。おそらく上記に記載した三種の神器みたいなものは、ちょっとずつ薄まっていくでしょう。代わりに何が共通コンテンツになるか、と考えたときに、やっぱり「恋愛」だけは無くならないような気もしています。ドグマではなくなり、センシティブな領域にはなるのですが、やはりその延長線上に巨大な経済圏や家族といった大切な価値観が控えていることを考えると、そのコンテンツは永遠に続いていくのでしょう。