外資系コンサルの意識高い日常

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ワールドカップで日本のサッカーが勝てない理由

  はじめに、私はサッカー日本代表を応援しています。試合当日も全力で応援します。ただし、論理的に考えて今回のワールドカップで日本はグループリーグを突破できないと思います。それは明らかなことだし、多くの人が理解したうえで応援していると思います。試合後にアレコレ言うのはカッコ悪いので、試合前に書いておこうと思います。

 

①客観的事実に基づく判断

 もっと詳しい方が書いているのでここで具体的なデータは出しませんが、グループリーグの相手の情報(コロンビア/ポーランド/セネガル)の情報を仕入れればすぐに分かることです。グループリーグ突破に必要な勝ち点を稼げる確率はどうでしょう?20%くらいでしょうか。もちろんゼロではないので突破できる可能性はありますし、だからこそ応援しているのですが、まぁ普通に考えれば勝てません。

 

※参考記事。ここでのグループリーグ突破は35%程度と算出されています

dot.asahi.com

 

②組織的な問題

 内部の事情は分かりませんが、外から見るだけで日本代表の組織マネージメントは上手くいっているように思えません。本田選手を代表とする86年生まれについては個人的にリスペクトはしていますが、彼らが主力メンバーとなっている状況は世代交代の失敗を表しているし、また番狂わせの可能性を減らしている要素になります。ゲバ評が悪かった2010年の状況と比較する人もいますが全く違います。当時の平均年齢は現在より2歳ほど若く、グループリーグ内の実力も拮抗していませんでした。(どこに負けてどこに勝つかという作戦が立てやすかった)

 

③日本全体にはびこる年功序列

 今回のメンバーが「年功序列」と揶揄されているように日本の企業でも年功序列は今もなお納得感のあるロジックとして定着しています。それはなぜかというと、ほかに決め手がない場合に、「年齢順だよ」と言うと「仕方ないね」という風潮があるからです。私は一度実験してみたいのですが、組織の全員が他人の年齢を一切分からないようにすると、どういう序列ができるのでしょうか。はじめは見た目でオジサンに気を遣うかもしれませんが、徐々に仕事ができない事実等が露呈され、最終的には実力主義の序列ができるのはないでしょうか。おそらく、無人島などのサバイバルな世界でもそのような序列となるでしょう。

 

④日本人が日本人のリーダーとなることの難しさ

 ③で述べたように日本人の揺るがない判断軸は年齢です。年齢ごとにロールモデルがあり、その序列に従っていく。他国のように国籍や言語が違うとそうも言っていられませんが、大抵の場合はモノカルチャーで政治ができてしまうので、拠り所が年齢や過去の実績しかないのです。今回、急遽抜擢された西野監督は非常に難しい選択を迫られましたが、そこで自身を守るためには今回のメンバーを選ばざるを得ないでしょう。実際に若手を見る時間すらなかった、というのもあると思います。ですが全く知らない海外の監督をアサインしていたらどうでしょう。180度変わるとは言いませんが、批評は気にせずにもっと自由な選抜をできたのではないでしょうか。もはや日本の大きな組織を日本人がリードしていくには困難なのだと思います。外国人リーダーは日本の忖度を無視したドラスティックな選択ができます。外資系企業や外国人経営陣の会社が業績を伸ばしていく傾向は今後も続くと思います。

 

<まずは年齢の呪縛から解放されよう>

 サッカーの話については、選考は年齢というより人気や過去の実績が評価されている部分が多いですが、チームとなった後には年齢的な序列が発生している、という意味でそう書きました。身近な面では、まず年齢を気にする文化を撤廃すべきかなと思います。テレビや新聞で芸能人に(30)とか書くのを禁止し、サラリーマンが入社年次を気にするのを止めるところから始めたら、もう少し合理的な判断ができるのではないでしょうか。そこでみんなであらためて、「リーダーの要件」「組織のあるべき姿」を考えるきっかけができたら素晴らしいですね。