外資系コンサルの意識高い日常

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ROIの終焉

 以前にPDCAの終焉という記事※を書きましたが、今回はROIについて書きたいと思います。ROIというのは「Return on Investment」の略で、投資対効果などと言われ、誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。この汎用的な指標は、すでに終わりを迎えていると思っています。

ishikitakaidaiary.hatenablog.com

 

①使い方が誤っているケース

 まず、初歩的なところから言うと、使い方が間違っているケースがあります。よくあるケースとして、「ROIが取れないからボツになる」みたいな企画があるのですが、ROIとは「いくつかの企画の中で、何を選ぶかを選択する基準」としては使えますが、「一つの企画をやるかやらないか」には使えません。「ROIが取れないからボツになる」企画を書いた人は、自席に戻って項垂れるでしょう。そして会社は何も実行しないまま、時が過ぎていくのです。ROIは、同じお金を投資するならばA,もしくはBと言う際には、大いに使っていただいて構いませんが、白か黒かを決める判断軸にはなり得ません。理由は、「何もしない」と言う選択肢とは比較のしようがないからです。

 

②使う範囲が間違っているケース

 これもよくあるケースですが、会社は事業部門ごとにタテ割りになっていて、それぞれの部門内、部内でのROIを計算することです。事業の投資は、事業全体にかかるものがほとんどであり、部門ごとにPPMで言う「金のなる木」であったり、「問題児」のようなポジションも異なるはずです。なのに単一事業内でROIを出そうとするから、おかしな話になってきます。A事業の投資がB事業の功績を生むことはよくあることですし、そういったシナジーのある投資こそ積極的にやるべきなのです。

 

③そもそも企業目線のロジックでしかない

 本項が本質的なのですが、ROIは「企業目線で、いくら使ったらいくら儲かるか」と言う完全な企業目線の独りよがりなロジックなのです。表向きにはカスタマーエクスペリエンスやお客様第一を唄っていながら、KPIが逆に張ってあります。まずは顧客が満足するサービスを顧客目線で考えることが重要であり、そこの壁を超えなければコストも効果も考える意味がありません。順番が逆なのです。現代のサービスはローンチ後にマネタイズを考えるものも珍しくありませんし、何よりそういったサービスが普及しています。いかにROIを考える時間が無駄か把握したほうがいいです。

 

④わかりやすいものに飛びついてしまう心理

 残念なことにROIは非常にわかりやすい概念です。少し前に話題になった本※の言葉を借りると、「PL脳」に陥っていると思います。収益や費用といったPLの言葉は非常に直感的でわかりやすく、誰でも知っているから使いやすいです。しかしPLは結果でしかなく、未来を教えてくれるのはBSのほうです。ただし、BSには直ぐにはお金にならないものも多いので、皆が考えるのをやめてしまうのです。短期的に安易な割り算に飛びついて、未来を捨てるのは非常にもったいないです。

ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論

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 <企業目線の論理は崩壊する>

 顧客や消費者のリテラシーが高まり、サービスを選ぶ目は厳しくなっています。また、どの企業もパーソナライズしたマーケティングをしているため、少しでも刺さらなければ別のサービスに簡単にスイッチングできます。そういった中で大切なのは、「何ができるか」ではなく「何を価値として提供したいか」を考えることです。そのことを考え抜いた後には、きっと下らない割り算を叩くようなことをする気にはなれないはずです。