外資系コンサルの意識高い日常

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コンサルへの就職は高値掴みか、という話

 大学生の就職ランキングの常連となっているコンサルティングファームですが、これらを揶揄するように、過去の銀行の栄枯盛衰に例え、今就職するのは「高値掴み」だと指摘する声があります。これについて、少し考えてみたいと思います。

 

①大人気だった銀行の今

 90年代の就職ランキング※の上位を占めていた都市銀行は、今やメガバンクを除いてすっかり姿を消しています。それは就職ランキングという文脈ではなく、合併や再編を繰り返し、その姿自体が別のものに変わっていった、ということです。細かい話は一旦置いて置いて、これはバブル経済の崩壊と、人口動態の変化による需要と供給のバランスが崩れたことでおおむね説明がつくと思います。

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②一方でコンサルティングファームはどうか

 コンサルティングファームも、合併や再編を繰り返す業界といっていいでしょう。会計系からスピンアウトしたものもあれば、SIを得意としているベンダー色の強いファーム、得意とする領域も様々で、確かに現代は有象無象のコンサルティングファームで溢れている、といっても過言ではないでしょう。これは90年代の銀行とよく似ている、という指摘は間違っていないと思います。

 

③なぜコンサルティングファームにバブルが訪れているか

 ②のように、コンサルがいわばバブル状態になった理由はなんでしょうか。一つは、事業会社(コンサルを発注する会社)の資金が余っていることが言えます。事業会社の既存事業はどこも頭打ちで、売上の伸びは期待できませんが、収益性はそれなりにあるので投資余力はあります。そして、テクノロジーや時代の変化に対応しきれていない企業が多いため、その資金をコンサルティングファームに流し、何か新しいビジネスを始めたり、新しいシステムを作ったりしています。

 

④なぜコンサルティングファームにバブルが訪れているか(続き)

 二つ目は、ハンズオン型の支援に対する需要増加です。働き方改革が背中を押し、プロジェクトをやり抜く力(リソース)が、事業会社の社員だけでは賄えなくなりました。またプロジェクトのスコープ(考えなければいけない範囲)が広がり、プロジェクトメンバーに多様なスキル(テクノロジー/アナリティクス/AIなど)が求められるようになり、それらを事業会社側で揃えるのも困難です。プロジェクトにコミットでき、終わったら解散できるスキルの高いメンバーが必要とされているのです。

 

コンサルティングファームは衰退しない>

 上記より、1つ目の理由については、事業会社のビジネスの雲行きが怪しくなることで、バブルが崩壊することは十分ありえます。しかし、2つ目の理由は不可逆です。これから人材はますます足りなくなり、一方で必要なスキルは多様化・専門化します。事業会社とコンサルティングファームが一緒にプロジェクトを立ち上げ、実現していく事例はむしろ増えていくでしょう。よって銀行の事例とは背景が異なり、需要の多少の変動はあれど、これからもコンサルティングファームが日本の会社にとって重要な役割を担うことは間違いないと考えています。