外資系コンサルの意識高い日常

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ダメなものをダメと言うことの価値

 やってはいけないことが世の中にはたくさんあって、それをしないような仕組みを作ることは非常に重要です。しかしそれで問題は本当に解決するのでしょうか。

 

①ダメなものに対してダメと言うことに価値はない

 スポーツでも仕事でもよく「ミスをするな」と言われることがありますが、それでミスが無くなったということを聞いたことがありません。また、恋人に「浮気をするな」と言っても、浮気は無くならないでしょう。不味いレストランに行って不味いといっても美味しいものは出てこないし、嫌いな人に嫌いと言っても嫌いなままでしょう。その言葉は、思っていても口に出すべき言葉ではないです。価値が無いからです。

 

②指示ではなく思いで伝える

 代わりにどうすればいいか、というと簡単で、自分がどう思っているかを伝えればいいのです。ミスの許されない大切な仕事ならば、「私はこういう理由でこの仕事を大切だと思っていて、ミスが許されないから○○さんにお願いした」、大切な恋人ならば「こういう理由で大切だと思っている」、レストランにはこういう味やサービスを期待していた、というフィードバックをすればよいのです。これらの思いには価値があります。それで改善するとは限りませんが、言われた側の行動には具体的な変化があるでしょう。

 

③結論よりも背景が大事な場面がある

 ①-②の話はいづれも、何を思っているかを伝えていることにあります。求めている結果を相手に伝えたところで、当然に相手は知っているわけです。親が子供に「100点を取りなさい」「早く帰ってきなさい」と繰り返したところで何の意味もないことは誰でもご存知かと思います。そういった場面では、その言葉の背景を伝えるべきなのです。メッセージというのは表面であり、果物で例えれば皮でしかないです。果実の部分を貴方の中に眠らせてしまっては、何の価値もないのは言うまでもありません。

 

④背景の理解はこれからのマーケティングのKPIになる

 同様に、人の年収や家族構成といった属性情報は結論でしかなく、果物の皮です。重要なのはその人の価値観や考え方であり、家を買ったり車を買ったり、どんなレストランに行ってどんな人と付き合うかはその人の表面を見ていても予測することはできないでしょう。ただし、その人の価値観に寄り添い、考え方を理解したならばそれは容易に想像できます。それこそが現代のマーケティングの基本であり、顧客を理解することだと思います。

 

<相手の立場に立つということ>

 ①-④の話をまとめると、相手の立場に立って物事を考える、ということです。言われた側、マーケティングされた側がどう思うか想像してください。その言葉をきっかけに自身の行動が変化するでしょうか?変化しなければそれはただのノイズです。情報が多い時代には、その人に刺さる言葉をどれだけ言えるかが重要であり、それはつまり相手の立場で発信できるか、という非常にシンプルな問題なのです。