外資系コンサルの意識高い日常

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センター試験が終わっていくという話

 世の中はセンター試験シーズンですが、2020年度からセンター試験が廃止され、別の試験体系が導入されるらしいです。私は子供も居ないし親戚もまだ小さいので直接的な関わりはありませんが、やはり教育を語るうえで大学受験の仕組みは切り離せないと思っています。

 

センター試験のベテランとして思うこと

 私はセンター試験を2回受けており、特に2回目は相当の対策をしたので、得点率は90%程度にも及んだ、当時の受験母集団で言ってもプロの領域といっても過言ではないと思っています。(結局私大に行っているので、相当の努力はすべて日の目を見ずに終わっています。)センター試験の特徴は、とにかく基礎を反復練習し、反射神経で回答できるようにトレーニングをすることで、解ける問題を増やしていけば、だれでもプロの領域にたどり着けることです(理解していなくても、点は取れる)。そして、そのセンター試験である程度の成績が取れる人は、私大受験においてもある程度の成績を残せるというベンチマークにもなっていました。

 

②基礎学力として求められていること

 上記で述べたことが、つまりは基礎学力として大学入学時に求められているモノです。もちろん、私がたどり着かなかった国立大学の2次試験は応用力が求められるとしても、それ以外の大学については「センター試験でそれなりに得点をとれる人」が集まっている、という認識で正しいでしょう。そこから社会人が量産されていくことを考えると、社会人の基礎力≒大学センター試験でそれなりに得点をとれる人、といっても過言ではないと思います。(実際に就活のSPIもセンター試験みたいな能力が問われています)

 

③求められているものは確かに変わってきている

 文部科学省が重い腰を上げてセンター試験を廃止する、ということは、世の中としても多くの人は、この「社会人の基礎力」が、現在の資本主義経済からズレてしまっていることを認識し始めているということです。つまり、いくつかの選択肢から確からしい答えを選んで、それがどうして確からしいか説明できるかどうかで優劣を決めるような意思決定は、これからあまり重要でなくなるということです。例えば、大事なプロジェクトのプランをAからCまで選ぶときに、センター試験のノウハウは通用するでしょうか?答えはノーで、きっとそこには「未来を予測する」とか「自分のビジョンを語る」とか「誰かに夢を見させる/説得する」みたいな能力が必要になるということです。

 

④私たちの世代以上ができることは何か

 新しい試験制度は成功するか失敗するか分からなくて、もしかしたら上手にスキームを作れなくて、なんだかよく分からない基礎力が定義されてしまうリスクは存在します。しかし、それはある程度トライ&エラーが必要で、さらには大学教育と組み合わせて議論されていけばいい話だと思っています。私たち一般のサラリーマンができることと言えば、新卒で入ってきた新しい基礎力を備えた若者に対し、「俺は微分方程式が解ける」とか「古文単語でしりとりしよう」とか、教育マウンティングをかけて自分達の受けた教育のブランドごと、自分たちの価値を下げないことでしょう。

 

<大人としての対応も変わっていくという話>

 まとめると、センター試験が変わるということは、社会人の基礎スキルも変わるということで、それに接する上司や先輩サラリーマンの接し方も変わっていく必要があるという話です。これはきっと教員や塾講師など、直接教育にかかわっている人にとってはもっと重要で、たとえば英語の先生とかは、まずは自分がspeaking力を高めないと話にならない、とかそういった危機迫るものになっていると思います。加えて、お子さんがいる家庭では、自分の価値観や過去のスキームに最適化した行動様式を伝えた場合に、それはこの時代ズレているよね、って言われてしまう可能性が高いです。そうならないためにも、経験ベースではなく、時代の潮流としてのあるべき姿を一緒に考えられるようなアプローチが大切で、そのためにも一旦、過去のセンター試験ノウハウは捨ててしまった方がいいでしょう。